書評

他力本願の真意とは 『歎異抄』

『歎異抄』というのは、親鸞の教えを後世に正しく伝えようと親鸞の愛弟子が書き記した忘備録みたいなものなります。

新版 歎異抄 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)

かなり昔の記憶ですが、中学の歴史の授業で、極楽浄土に行くための方法として、法然が自力の修行で、親鸞が他力本願みたいな習い方をしたような記憶があります。

当時のわたしは、他力本願なんて親鸞は本当にふてぶてしい奴だな!と思っていましたね(;^ω^)笑

こんなに自分は頑張って塾に行って自力で勉強しているのに、念仏唱えて神様に助けてもらう他力なんて図々しいくらいは思っていたかもしれません。極楽浄土に行きたいなら必死に自分で修行する法然の教えの方が100%正しいとも感じていました。

でも、本書を読むと、当時の自分は親鸞の教えの言いたいことの1%も理解していなかったんだなということがわかります。なんというか、他力本願の念仏の本質は『バガヴァッド・ギータ』に似通っている部分もあって個人的にはかなり好きですね。

先日記事にした『ウパデーシャ・サーハスリー』(シャンカラ著)がギャーナヨーガ(智識の道)だとしたら、この『歎異抄』はパクティヨーガ(親愛の道)ですね。神様に全てを委ねてしまおうという道です。

親鸞の教え

まず、押さえておくべきは、親鸞の教えは仏教だけあって、縁=カルマ論(過去の行いが現世の出来事を決定する)が前提条件になっています。

しかも、結構根がネガティブです。笑 このネガティブさは、わたしに似ているなぁと思います。笑

どうネガティブかというと
・人は、過去の多くの縁(カルマ)によって、思うようには生きられない
・さまざまな煩悩を持つ身でありながら、この世で悟るなどとんでもない
・欲望を捨てることができないわたしたちは、どのような行も満足に修めることはできない

こんな感じのネガティブです(;^ω^)

要するに、過去様々な悪行をしてきて悪いカルマを溜め込んでいる自分が、ちょっと修行をしたところで悟れるわけねーだろってわけですね。

自分の力で悟れるわけがないのだから、神様におすがりするしかないというのが親鸞の教えです。

すべての命あるものを救うという阿弥陀さまの不思議な請願(本願)を信じて、『南無阿弥陀仏』と唱える人は必ず浄土にいくことができるというのです。

現在の良い行いも悪い行いも、過去の縁(カルマ)によるものなのだから、それに囚われることなく阿弥陀さまの本願力にお頼みすることをここでは『他力』と言っています。

念仏は、それを唱えるわたしたちには、善でもなく行でもない。阿弥陀さまのはたらきかけによるもので、すなわち他力の行であるということのようです。

ギーターとの類似点

常にわたしを想い わたしを信じ愛せよ
わたしを礼拝し わたしに従順であれ
そうすれば必ずわたしのところに来られる
わたしは君を愛しているから このことを約束する
あらゆる宗教の形式を斥けて
ただわたしを頼り 服従せよ
わたしがすべての悪行報から君を救う
恐れることは何もないのだ

ギーターでも、修行の重要性などに触れられる部分もありますが、最後の〆はこの言葉で終わります。

この部分だけ読むと、阿弥陀さまの請願とかなり類似しているような気がします。

お前を救うわたしを信じろ。そうしたら、なんとかしてやんよ。そんな感じでしょうか。

わたしは、パクティヨーガが一番好きなので、結構『歎異抄』は好きな本です。

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  1. 2018.06.29

    こじつけ??







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