書評

非二元論についての本の紹介 『これのこと』 ジョーイ・ロット

買ったのは1年以上前だけど、久しぶりに再読してみました。

これのこと

こういう思考はしょせん思考に過ぎないんだよ系の本は、折に触れて読むと『あぁ、そういえば忘れてたな』と復習というか発見になります。

わたしは、普段は、思考と一体化して生きていますからね。

本書じゃなくてもいいので非二元系の本は一冊は手元に置いておくといいような気がします。

本書の特徴と感想

本書の場合、非二元(ノンデュアリティ)について、宗教・スピリチュアル色なしにわかりやすい言葉で説明をしてくれているのが特徴ですね。

概念とは関係のない感覚的な知覚に留まってみようという提案がなされています。

一瞬、これは日本でベストセラーになった『嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え』のアドラー心理学にも通じるものなのかと最初思いました。

所謂、「今この瞬間に」というやつです。

ただ、本書ではそれは違うと書いてあります。「もっとしっかり今ここにいなくてはいけない」というのはそもそも無理だ。

なぜなら「今なんてない」からだ。と書いてあります。

本書をちゃんと読んで、一定の知識があれば言わんとしていることは簡単にわかります。

ただ、今はあるよ・・・?( ^ω^)とやはり言いたくなる自分がいるんですね。

思考を参照しなければ、自分はいないし今もないかもしれないけど、思考を参照しないで直接的な経験に留まるというのは「言葉」を覚えてしまった人間には神業に思えて仕方がないです。

この『思考』というものがあらゆる苦しみを人間に与えているのも確かですが、一方で、物事を抽象化してラベリングしていくのは人間特有の能力ですし、何より便利です。人間は思考することでここまで文化水準を向上させてきたわけですし。

「椅子」見るたびにこれは「椅子」だっていう思考がなければ、日常生活だっておぼつきません。

自分の苦しみや不安がただの思考からもたらされていることはわかる。ただ、その思考はどうやったって「は~い(^ω^)」と言って浮かんできますからね。

だから、ラーマクリシュナなんかは、沢山食べないと肉体を維持できないカリユガの時代は、自分が自分だって認識はどうしてもなくならないからパクティ(信仰)が一番だよと言っているんですね。

ただ、非二元の教えは肌感覚として理解できなくても、思考内で理解するだけでもだいぶ意味がある気がします。

特に将来についての不安なんかは、「ああ、全部ただの思考だ」って気付けば、不安に不必要に囚われることもなくなります。

この場にいない人のことを考えるのも思考ですから、それが負の感情を呼ぶなら「これはただの思考だ」って切って捨てればいいんです。

ただ、「思考」をポジティブな方向だけに持っていこうとすると安っぽいスピリチュアル的実践みたいなものになっていきますね。笑

中途半端にかかわると、色々と混乱するのが非二元ですね(^ω^)まだまだ、わたしも新参者といった感じです。

興味がある分野でもあるので、今度色々と書籍を紹介してみようと思います。

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